2013年10月9日水曜日

二度死んだ話

大国主は、『日本書紀』、『古事記』に登場する国造りの神で農業神、武神、縁結びの神とさまざまな性格を持つ。因幡の白兎の話が、一番ポピュラーだろうか。

 彼が国造りを始める前に、彼は、彼の兄弟によって二度殺されている。彼を殺した兄弟は、八十神と表現されているが、これは大江戸八百八町の言い方にある様に、多くの神という意味ぐらいに理解している。

彼が兄弟から殺された理由は、女性の取り合いである。彼の兄弟達が、とある女神に求婚すると、彼女は大国主がいいという。

大国主は、兄弟達の今風に言うならパシリであった。しかし、彼は因幡の白兎の話に見られるように優しい心を持った神だった。

 この部分が非常に面白い。1,000以上昔から、我が国では優しさと勤勉さが美徳とされていたと言う証拠である。(古事記の成立は712年

そして嫉妬に狂った兄弟たちに殺されてしまうのだ。
 
男の嫉妬はやはり醜いものとされているのがまた、面白い部分である。現代でも十分通じる。
 
そして母親の献身によって蘇る。
 
そして、人がいいというかなんというか、またあっけなく殺されてしまい、またまた母親の努力によって蘇るのだ。
 
この二度の死は、英雄神に生まれ変わるための通過儀礼である、との説を読んだ。しかし、一度ならず二度死んで蘇った英雄はいるのだろうか?
 
寡聞にして知らぬ。Wikipediaで少し調べてみたのだが、知っている限りの英雄で2回死んでいるというのはなかった。

彼は、二度目の死のあとでも英雄にはなれず、スサノオの試練を乗り越えて初めて英雄になる資格を持つ。
 
最後の最後に彼を救ったのは、一匹の小さなネズミだった。

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