2013年12月4日水曜日

書評:田沼意次の時代

著作 大石慎三郎

田沼意次は、不当に貶められた幕閣である。

 

彼のライバルは、松平定信という8代将軍吉宗の孫。言ってみれば貴種である。

 

定信の父親が、9代将軍になっていれば、彼は間違いなく10代将軍になっていただろう。

 

それを決めたのは吉宗であり意次ではない。そんなボタンの掛け違いもあったのだろうか。

 

定信には、意次を失脚させねばならない理由があった。

 

東北の飢饉の時に、意次は全国に米を買い占めてはならないとのお触れを出した

 

定信はそれに逆らい、米の買い占めを行い自分の藩の利益を追求していしまった

 

このことから意次の追求を恐れた松平定信は、意次の失脚に執念を燃やすことになる。

 

なんというおろかで小さい男なのか。

 

意次の政策は経済規模を大きくし、貨幣として税収を商人からとるという

 

マクロ経済的に言えば非常に正しい政策である。

 

百姓たちも、吉宗の増税で疲弊していたためこの政策に喜んだとおもいきや

 

定信の讒言のため、決してそういう空気にはならなかった。

 

また、斬新すぎる意次の政策は、幕府内部にも反感を買ったのであろう。

 

意次の遺書を見れば、彼が非常に情の細かい気遣いのできる苦労人だとわかる

 

しかし負けてしまえば歴史は改ざんされ勝者の都合の良い者に書き換えられてしまう

 

敗者が見直されるには、時間がかかる。

 

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