2011年7月12日火曜日

その15

転載のため写真はない)


 やっと面白そうな記事がでてきた。ユーザーレポートである。これを見ることで、中国における自動車の使われ方が見えてくる可能性があり、訳のわからない中国自動車市場の理解が深まる可能性があるのだ。下の写真で、矢印で示したのがユーザーレポートの結果である。





 結果を見ていこう。表で一番上に表示されているのが、今月のガソリン代(元)と給油量(L)である。これをみると驚くしかない結果になっている。1ヶ月のガソリン代が約1100元、即ち約1万7千円も使っているのである。ちなみに上海の大卒の初任給は高い方で3000元だそうだ。これもインフレがあって給料が上がったとのこと。で、このユーザーは、初任給の1/3ものガソリン代を使っているのである。
 次に注目して欲しいのは、上から2番目の矢印。これはウオッシャー液の費用なのだそうだ。「天」のように見える文字は、「使用なし」を意味するとのこと。こんなガソリンの使い方をしておいて、ウオッシャー液の費用を気にする金銭感覚が理解できない。





 これで驚いてはいけない。もっとすごいのがこれ。





 1ヶ月のガソリン代が約4700元、即ち約7万円も使っているのである。このユーザーは、初任給の1.5倍ものガソリン代を使っているのである。「資本主義のブタ」でもこんなバカなガソリンの使い方はしない。営業車でもないのに・・・天誅が下されるべきであろう。





 こんな状態で新車を買える中国が理解できん。一部の金持ちだけが車を買うのならわかるのだが、中国にはもう車がアメリカ並みに走っているし、日本並みに渋滞もする。ちなみに車はキャッシュで買うそうだ。中国の最高額面の紙幣は100元。仮に15万元の車を買ったとしたら、1500枚の札束を持ってディーラーに行くとのこと。日本人の感覚にたとえると、1500万円を抱えてディーラーに行くようなものだ。
 ガソリン代だが、一説によると会社から補助が出るらしい。いずれにせよ収入と支出のバランスが明らかにおかしいのだが、これまた一説によると足りないカネは株の儲けで補っているらしい。この点はばれたらまずいのか、中国人に直接問いただしても明確な答えは返ってこない。が、否定も肯定もしないので、恐らく事実、もしくは説明できないようなヤバイことに手を出しているのだろう。
 直接聞いた話なのだが、日系の会社の人の元で働く中国の人が新車を買った。「あいつの給料で新車が買えるはずがない」ということで密かに身辺調査をしたのだが、何もヤバイものは出てこなかったし、カネを儲けたという痕跡もでなかったという。なぜ買えたのか真相は闇の中であり、経済実態がわからない中で「売れるから」という理由だけで日本を含む世界各国は商売をしている。


 となると事は深刻である。1年前にも述べたが、人類史上経験のないバブルに踊る中国では、誰も住んでいない完売した家やマンションがゴロゴロしている。投機目的だ。しかも生活の糧を株で稼いでいるとなると、バブルが崩壊したら悲惨なことになる。町中に失業者があふれ、失業して暇になったから経済政策の失敗を批判する反政府・反地方政府デモが発生するだろう。天安門事件の実例や、長年の毛沢東思想の影響で扱い慣れていない「自由」の取り違えを考慮すると、恐らく内戦状態にまで陥るのではないか。そうなったら、広東語・北京語に代表される原語圏やチベットに代表される民族の違いから、中国は3つとか4つの国に分裂するかもしれない。

 これは決して対岸の火事ではなく、根拠のない空想でもない。中国のバブルに頼り切っている世界各国も同時に不況へと陥り、「第二次世界大恐慌」が始まる。日本は経済的にも深刻なダメージを受ける上、中国から大量の経済難民が押し寄せてくる可能性が高い。中国10億人のうち、わずか0.001%の人間が難民として日本に来たとしても、1万人もの中国人が押し寄せてくる。昔、長崎にベトナムかカンボジアの難民か何かが1ヶ月間に50人程度押し寄せて大問題になったことがあったと思うが、その比ではない事がわかる。恐らく九州の東シナ海側から山陰地方、場合によっては越前クラゲのように北陸地方まで難民が押し寄せるのではないか。


 一方で、中国政府もバカじゃなく、うまく言論統制をやるはずなのでバブルの崩壊はまだまだ先という見方をする日本人(特に中国在住)も多い。もちろん日本にとって都合のよい方に転んでくれるのがありがたいのだが、そろそろ最悪の事態も想定しておかないとまずいと感じるのであった。具体的な対処法については、リスクをともなうやり方も含まれているのでここでは論じない。

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